決算期は変更できます!
あなたはご存じでしたか?
そもそも決算期はどのように決めましたか?
おおよそ多数のお客様が設立年月日から起算して1年間になるようにしているケースが大半だと思います。
- 今期末に大きな仕事が完了しそうだけど、税金対策どうしよう
- 繁忙期が決算なので、在庫をチェックするのがすごく大変
- かなり儲かってきたので税金も気になるけど、役員報酬上げたいな
- 消費税の簡易課税を選択しているけど、決算までに大きな設備投資をしようと思っている
とお考えの社長
決算期を変更することでその問題を解決することができます。
決算期を変更することで
- 利益を翌年度に繰り延べることができます
- 役員報酬を変更することができます
- 簡易課税制度をやめることができ、消費税の還付を受けることができます
- 閑散期を決算期とすることで在庫チェックが楽になります。
このようなメリットを享受することができます。
早速見ていきましょう。
目次
具体的なメリット
決算期を変更することで、利益を繰り延べる
臨時の収入が突然出た際に、どうやって対処しよう。
来期以降どうなるかわからないので、利益をできるだけ残しておきたいとお考えでしたら
決算期を変更することで、利益を繰り延べることができます。
12月決算で、11月に大きな売上が計上され想定よりも多額の利益が出る場合、10月末で事業年度を区切ると、11月の売上は翌期に計上されることになるため、利益を繰り延べることができます。
税金の支払いを繰り延べられることや、節税対策を行う時間ができるので様々な準備が可能になります。
月 | 9月 | 10月 | 11月(翌年度) |
売上高 | 500 | 500 | 3,000 |
利益額 | 250 | 250 | 1,500 |
役員報酬を変更することができる
役員報酬は期首から3か月以内に増減させることが可能です。
その後期中は毎月同じ金額を継続させる必要があります。これを定期同額給与といいます。
つまり、役員報酬の上げ下げは期首から3か月以内は原則認められません。
特例として以下のような場合は認められます。
役員報酬を上げる場合
・期首から3か月以内に変更する場合
・従業員が役員になった場合
・取締役が役職付取締役になった場合
専務取締役 → 代表取締役
平の取締役 → 常務取締役など
これらは役職が上がり業務内容や責任が増えたことに起因するため問題なく上げることが可能です。
役員報酬を下げる場合
・期首から3か月以内に変更する場合
・会社の業績が悪化している場合(コロナ禍においては十分要件に該当します)
・役職付取締役から従業員又は平社員になった場合
代表取締役 → 専務取締役
常務取締役など → 平の取締役
一時的に下げることができる場合
・不祥事のため責任を取った場合
・入院等により職務を全うできなくなった場合
などがあります。
そこで期首から3か月以内に変更できるという点で、事業年度を区切ることで役員報酬を上げることが可能になります。
大口との取引が決まり継続的に売上の水準が今までより増える場合などお勧めです。
事前確定届出給与の提出により、利益をコントロールする方法もあります。
閑散期に事業年度末とすることで棚卸が楽になります。
繁忙期に在庫を計算すると、商品が多いと棚卸に時間がかかります。
閑散期で比較的動きがあまりない月を年度末とすることで、棚卸が簡単になり事務負担が軽減されるメリットがあります。
具体的な手続き
いつまでに事業年度変更を行えばできるということですが、具体的には株主総会の決議で事業年度を変更することで完結します。
事業年度は定款に記載がされています。
・定款変更
定款変更には「臨時株主総会の開催」して「その議決権の3分の2以上の賛成」が必要になります。
株式会社成立後の定款の変更には、原則として株主総会の特別決議が必要になる(309条2項11号)
・異動届出書を提出
税務署・都道府県・市町村へ提出します。
株主が多数いる場合は、時間を要することになろうかと思われますが、一人オーナー会社などであれば特段問題なく即日行うことが可能です。
デメリット
諸費用が掛かる
・定款変更に伴う司法書士の費用がかかります。
・また決算を早期に行うため税理士に対する決算費用もかかります。
・システム等の変更が必要になる
・前年対比が正確にできず、分析する際に比較にひと手間加える必要がある
などの点があります。
まとめ
決算期の変更によるメリットデメリット理解いただけましたでしょうか?
決算前にある程度売上が計上されることが予想された場合などは、ぜひご私まで相談ください。
不明点等ありましたら、いつでもご連絡いただければご対応させていただきます。