節税 税金

医療費控除を理解して、確定申告を行いましょう

2020年12月6日

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「医療費って10万円以上使ってないから駄目だよね?」

「医療費控除って具体的にどういう風に計算するの?」

「保険金たくさん受け取ったから差し引きすると10万円超えないから関係ないよね?」

「医療費控除ってどうやるかわからない」

と疑問をお持ちのあなた、この記事を読むことで医療費控除が理解できます。

前半部分の悩みについても医療費控除が受けれるケースがあります。

では早速見ていきましょう

医療費控除とは?

医療費控除とは、医療費を10万円以上払った人が、確定申告することで控除が受けられる制度になります。

医療費は、自分が病院で払った治療費や治療に伴う薬代、薬局での購入はもちろん、購入や通院に係る公共交通機関などの交通費や、通院に付添いが必要な場合の付添い人に係る交通費も対象となります。自分以外に生計を一にしている、お子様や配偶者様が使用した医療費も含めることが可能です。

公共交通機関が使えない場合や、緊急の場合はタクシー代であっても対象となりますので、忘れずに含めましょう。

公共交通機関の交通費については、領収書が無くても、実際に支払った金額のメモが有れば認めてもらえます。

医療費控除でどれだけお金が返ってくるの?

残念ながら医療費控除の金額が丸々返ってはきません。

どのくらい返ってくるかというと

医療費控除✖️税率=還付金額となります。

税率は所得税の累進課税に応じた税率になるので、高所得者ほど還付額も大きくなります。

所得税以外にも、住民税や国民健康保険・後期高齢者保険・介護保険加入者の保険料なども安くなります。

仮に所得税率10%のサラリーマンで、20万円医療費支払った場合(保険金受取りなし)

税金影響額

20万円−10万円=10万円

所得税10万円×10%=1万円(還付)
住民税10万円×10%=1万円(減額)

合計2万円の税金が安くなります。

所得税は確定申告により税務署からお金が1万円返ってきます。

住民税については、お金は還付されずに年税額から1万円減額されます。

自営業者で国民健康保険加入している場合は、所得に応じ国民健康保険料にも影響してきます。

医療費の計算方法について

計算方法

医療費  −   A  − B = 医療費控除 ≦ 200万円が限度(C)

A 合計所得金額×5%(所得200万円未満)または10万円のいずれか少ない金額

・200万円以上であれば10万円となります。

B 医療費から補填される額を控除します

C 200万円までが上限です

インプラントや入院費用などの大きな支出が200万円を超えそうな場合、年間200万円に抑えるように支払いの仕方を工夫する必要があります。

(未払にして、翌年度支払うなどの対応で可能ですが、医療機関に確認が必要になります。)

 

生命保険会社から保険金を受け取った場合は?

生命保険会社から保険金を受け取った場合は、医療費から控除する必要があります。

・生命保険契約などで支給される入院費給付金

・健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費

・出産育児一時金

・その他保険金や補助金関係などすべて

医療費から補填される、保険金や入院給付金は給付の目的となった医療費の金額を限度として計算します。

勘違いしやすいですが、保険金は紐付けて確認しましょう。

他の治療費から差し引いてしまうと、医療費控除が減ることになり、損をすることになります。十分注意しましょう。

A病院で入院 10万円 − 保険金15万円 = ▲5万円 >0  0以下は0

治療費より5万円多い金額を受け取っている場合はその5万円はどこからも控除させなくてよいです。

年度末に保険金が入金されない場合は?

支払われるであろう金額を見積もりにより算出する必要があります。

見積金額より多く入金された場合は、修正申告により差額分を納税する必要があります。

見積金額より少なく入金された場合は、更正の請求により税金を還付してもらう手続きとなります。

 

具体的にどういったものが医療費控除の対象になるの?

様々なものがありますが、基本的には治療のため費用又は治療のために必要な費用や、治療のために必要な器具等で医師が認めたものになります。

・クリニック・病院等で支払う治療費

・薬局で支払う薬代

・ドラッグストアなどで購入する薬代

・歯医者での治療・矯正・インプラント・差し歯代

・あんま、マッサージ、指圧師、はり士、きゅう師、柔道整復師による施術

・助産師による分娩の介助

・入院のための食事代

・差額ベット代(自己都合の場合はダメ、医師が必要と認めるものは対象)

・介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

・傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)

・公共交通機関の交通費

・公共交通機関の使用が困難な場合や、緊急性が高い場合のタクシーの利用しての通院

医療費控除の対象とならない具体例

※様々なものがありますが、基本的に医師が必要であると認めるものはすべて医療費控除の対象となります。
その場合は、証明書の発行を依頼しましょう。

以下の内容は一般的に認められないものになります。

・マスク

・空気清浄機

・体温計

・血圧計

・予防接種(インフルエンザ・ワクチンなど)

・健康診断(重大な疾患が見つかった場合は医療費控除の対象となる)

・予防や健康増進のための、栄養ドリンク

・通院のためのガソリン代

・自己都合による差額ベット代

・眼鏡・コンタクトレンズ

・入院の際の衣類や身の回りの品

・医師等への謝礼

・美容目的の歯科、ホワイトニング、歯石除去など

・補聴器

・未払の医療費
クレジットカード決済の場合は、決済日に支払いを行ったものとします。実際の引落日ではありません。
ローンを組む場合も同様です。ローン契約日により支払いを行ったものとします。

医療費控除の手続き

確定申告書に「医療費控除の明細書」を作成して添付する必要があります。

医療費控除の明細書

確定申告する際に必要な資料は、給与の源泉徴収票、医療費控除の計算した書類を所轄税務署長に提出又はe-taxにより電子申告することで可能です。

サラリーマンで年末調整が終わっており、ほかに所得がない場合は通常還付申告になります。

還付申告の申告開始日は翌年1月1日より可能(令和2年分なら令和3年1月1日)となっております。

通常の確定申告は2/16~3/15が期限ですので、通常の申告より早く申告することができます。

早く行うことのメリットは、早く還付金額が返ってきます。また時間がなくて申告が3/15までにできなくても還付の場合は特段問題がありません。

最大5年間さかのぼって申告を行うことができます。

原本については税務署に提出ぜずに、5年間自分で保管しておく必要があります。

医療費のお知らせを使うことも可能

平成29年分の確定申告から、医療保険者から交付を受けた医療費通知がある場合は、「医療費控除の明細の医療費に関する事項」に医療費のお知らせ額を記載するとともに、医療費のお知らせを添付することによって、医療費控除の明細書の記載を簡略化することができます。

※この場合、医療費の領収書原本の保存は必要ありません。

医療費のお知らせを使う場合以下の内容が記載されている必要があります。

1被保険者等の氏名 2療養を受けた年月
3療養を受けた者
4療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
5被保険者等が支払った医療費の額 6保険者等の名称

医療費のお知らせを使う場合注意点があります。

①自費治療費など、保険に係る窓口負担金以外の負担金が入らない。

仮に含めようとする場合、「医療費控除の明細書」を作成して添付する必要があります。

②お知らせを使う場合、12月までお知らせの金額が反映されていない。

協会けんぽについては9月までしか記載がありません。

医療機関からの情報が協会けんぽに届くまで3か月ほどかかるのが原因です。

結局10月~12月分については医療費の領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作成する必要があります。

③実際に支払った金額と、医療費のお知らせの金額が一致しない場合

引用

診療報酬点数に単価(10 円)を乗じて算出される医療費の総額に被保険者の自己負担割合を乗じて算出されるため、10 円未満の金額まで記載されます。

一方、通常、医療機関等の窓口で支払う医療費の額は、10 円未満の金額につき端数処理(四捨五入)が行われています。

その処理の仕方により差が出るケースがあります。

④お知らせに載らない医療機関もある。

受診された医療機関等からの診療報酬明細書(レセプト)の請求が遅れていたり、診療報酬明細書(レセプト)の内容が審査中などの理由により、一部の受診記録が記載されない場合があります。

⑤医療機関の欄が空欄になっているケースあり

空欄になっている場合は、そのまま使用することはできません。空欄に実際に行った医療機関名を補完記入する必要があります。

 

⑥まとめ

完璧な通知書ではないので、上記注意点があるという前提での使用するようにしていただければと思います。

まとめ

医療費控除についてご理解いただけましたでしょうか?

医療費控除は、必ず適用したい所得控除になります。

医療費控除でも様々な論点がありますので、焦らずに集計し、補填される保険金の確認など漏れがないようにお願いします。

お金が返ってくると嬉しいですよね。

年末に医療費をまとめて、確定申告に備えて準備していただければと思います。

 

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