節税 税金

事業投資家に朗報!エンジェル投資税制の概要について

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「臨時で株の収入が多額に発生した。このまま行くと税金で結構取られるな・・・」

「仮想通貨で思っている以上に利益が出たけど税金払いたくない!」

と悩んでいる皆様朗報です。

投資をするだけで税金を抑えられる制度があるのをご存知でしょうか?

 

ベンチャー企業へ投資するだけで投資額を所得金額から差し引く制度があります。

それがエンジェル投資税制です。

 

 

 

エンジェル税制とは?

エンジェル投資税制とは、一定の要件を満たしたベンチャー企業に対して個人が投資をした年において、個人が所得税の優遇を受けることができる税制です。

民法組合・投資事業有限責任組合を通じて個人が株式を取得した場合や、株式投資型クラウドファンディング業者の電子募集取扱業務により個人が株式を取得した場合についても対象となります。

個人投資家がベンチャー企業の新規発行株式を金銭の払込みにより取得した場合に本税制の対象となります。

発行株式を他の株主から買ったり、譲り受けたりした場合は対象となりませんのでご注意ください。

エンジェル投資を行うと具体的な優遇税制は以下の2つの優遇税制があります。

優遇措置A 寄附控除

(ベンチャー企業への投資 − 2,000円)をその年の総所得金額から控除

控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%又は1,000万円のいずれか低いほう

優遇措置B 株式譲渡

ベンチャー企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除

※控除対象となる投資額の上限なし

※どちらも売却損が出た場合は、譲渡損の繰越控除が3年間できます(通常の上場株式の譲渡損の規定です)

昔は非上場株式と上場株式の通算制度があったので、上場株式で損失を確定させて非上場株の譲渡益と通算するなんてケースもありましたが、今はできませんのでご注意ください。

 

エンジェル投資税制を受けるための具体的な流れ

エンジェル投資税制を受けるためには、出資を受け入れる企業側と投資家側でそれぞれ準備が必要になります。

ステップ1

まず、ベンチャー企業が都道府県へエンジェル税制適用対象企業であること、投資が行われたこと等の確認申請を行います。

ベンチャー企業は都道府県知事名の確認書の交付を受ける必要があります。(確認前、確認後いずれの時点でも投資を受けることができます)

ステップ2

ベンチャー企業は確定申告に必要な書類を個人投資家に提出

ステップ3

個人投資家は確定申告を行う

ベンチャー企業側の手続き

ベンチャー企業側では以下の手続きが必要になります。

具体的な要件と合わせて確認していきましょう。

大まかな流れ

事前確認制度を利用する場合の手続き

エンジェル投資税制適用の適用のため確認申請書 → 事前確認申請書の取得 → 投資契約(資金調達)を結ぶ → 資金調達後の確認申請 → 投資家への書類提出

事前確認制度を利用しない場合の手続き

投資契約(資金調達)を結ぶ → エンジェル投資税制適用の適用のため確認申請書 → 投資家への書類提出

具体的な要件

エンジェル税制適用対象要件に該当する必要があります。

優遇措置AとBがありそれぞれ以下のような要件となっております。

※1 宣伝費、マーケティング費用:新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、技術の改良、市場の開拓又は新たな事業の開始のために特別に支出する費用。

※2 設立2年未満で、第2期の事業年度を経過している場合は、「エ」、「ク」の要件(売上高成長率要件)でも確認を受けることができます。

パターンに応じて、申請に必要な書類が違ってきますので、こちらの5Pを参照にしてください。

個人投資家の手続き

個人投資家は、株式の取得、確認書の交付を受ける、確定申告を行う必要があります。

払込要件

企業要件を満たしている先に対して

①金銭を払込みにより株式を取得していること

②対象企業のうち50%超になる時における株主グループに属していないこと

投資時点において、企業側の満たしている要件に応じ優遇措置A又はBの適用を受けることが可能です。

確定申告時

確定申告書に添付書類を作成し、添付するとともに、企業から交付された確認書を添付する必要があります。

優遇措置A

①特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書

②特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書

優遇措置B

株式等にかかる譲渡所得等の金額の計算明細書の1面

⑩特定株式の取得に要した金額の控除欄に投資額を記載します。

(特定投資株式の取得に要した金額の控除等の特例)

この特例適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額を限度とし、控除しきれない金額があるときは、上場株式等に係る譲渡所得等の金額を限度として計算する。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この制度を使うと投資年度の投資額に対して節税が可能になります。

また外部資金を調達しようと考えている事業者様がいらっしゃいましたら、投資家のメリットも多数ありますので、ぜひエンジェル投資税制をご利用していただければと思います。

不明点等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

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