石原明さんの著書について解説したいと思います。
この書籍を読んだ結論としては、経営者の皆様、自社の商品を値上げしましょうということです。
値上げって言われても、売れなくなったらどうするんだ! 怖くてできるわけないと思われたと思います。
その恐怖を消し去る方法を本書では解説しています。
さらに今すぐにでも自社商品を値上げしたいと思える内容になっていますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
値上げのメリット
ポイント
従来通りの粗利益と同額を目的とする場合、必然的に販売数量が減る。
販売数量が減ると、従来の適正在庫数も減ることになり運転資金が減り資金繰りが良くなる。
販売量にかかる営業コスト、運送代その他の諸経費が減るので、さらに利益が出やすくなる。
従来通りの粗利益と同額を目的とする場合、必然的に販売数量が減ります。
仮に販売価額が1,000円で1つ売れると粗利が500円出る商品の価額を、2,000円で売れるようになると粗利はいくらになりますか?
そうです! 1,500円の粗利になります。 粗利が3倍になりました。
つまり従来の販売量の1/3を売ればよいのです。
販売数量が減ると、従来の適正在庫数も減ることになり運転資金が減り資金繰りが良くなります。
そのため「従来と同じ」売上を目標に考えた場合であれば、販売数量が減るので仕入金額も減ることになります。
販売量にかかる営業コスト、運送代その他の諸経費が減るので、利益が出やすくなります。
販売先が減ると、販売量同様に営業に行く件数も減ります。 管理コストが削減されさらに利益が出やすい体質になります。
値上げのポイントの前に、そもそも値段の決め方はどうされていますか?
値段を決めるには3つの要因が関係してきます。
ポイント
①原価を含めたコスト
②他社との比較
③その製品やサービスが持つ価値
①原価を含めたコスト
変動費をすべて含めて実際の金額を算出する方法です。
この方法により算出された金額というのは、あくまでこれ以上低く売ってしまうと売れば売るほど損失が拡大していく金額と考えて
いただければよい金額です。 つまり絶対にこの金額を下回ってはいけないです。
②他社との比較
比較後、安易に他社より安くするのはよくありません。
先行者が売値を高く設定しているケースであれば、その基準から決められるので楽です。
先行者が売値を安く設定している場合は、他社の一番高い商品群よりも、上位の商品群をあえて作って、
ほかの人とはちょっと違ったものが欲しいと思っている顧客を取り組む戦略を取ります。
原価を含めたコストよりもかなり優先順位が高いものとなっています。3つを比べると次の通りとなります。
その製品やサービスが持つ価値>他社との比較>原価を含めたコストの順になります。
付加価値つける方法
付加価値には、「一般的な価値」「顧客特有の価値」の2種類あります。
「一般的な価値」とは何でしょうか?
世間一般的に通用する価値という認識です。
例えばダイヤモンドは高い。
なぜ高いのか?
希少性があるものであるため。
というのは誰もが思っている共通の認識だと思います。
価値には原価がありません。
この価値が要因となって値段を高くつけることができるます。
例えば現在売っている商品でも以下の一般的な価値を商品と一緒に届けた場合、少し値段を高くつけられませんか?
一般的な価値を付けるだけでも、ほかと差別化が図られます。
一般的な価値は以下の14つの項目に分けられます
14つの項目
- 手間暇をかけている
- 数が少ない、めったにない、作れる人がほかにいない、育つまで時間がかかる
- 専門家がいる、選んでいる
- 長い歴史を持つ、代々続いている、それを保証している文献や歴史上の根拠がある
- 上位の人、歴史上の人物や有名人、著名人が愛用している
- ネットで流通していない
- 実際に行ってきた、見えてきた、世界の裏側など遠くまで行って取ってきた、持ってきた
- 特許がある
- 開発の秘話があり誰もが驚く
- 裏付けを「〇〇」がしている、世界を代表する研究機関「〇〇」が認めている
- 何年使っても劣化しない
- 何万回もテストしている
- メンテナンスの保証がすごい
- 緊急時の対応が突出している、ほかでは決して真似できない
開発の秘話など、ストーリーがあるものもかなり人の印象に残りやすいです。
ストーリーマーケティングで昔から企業が取り入れていますね。
なぜこの商品が良い点を挙げるよりも、この商品はなぜ作られたか、ストーリーとともに商品を提供する
居酒屋さんでも、最近は商品説明でどこの農家さんが作ったもので、
作るうえでのこだわりも併せて提供することで付加価値を付けている取り組みが行われていますね。
ホリエモンも居酒屋で優劣がなかなかつかない状態になってきた(基本的なサービスをちゃんとやっている前提で)場合どこで差をつけるのか?
また居酒屋では飲食物をだすが、情報を食べることで価値をわかってもらうと、ホリエモンチャンネルで言っていたと記憶しています。
「顧客特有の価値」とは何でしょうか?
その商品やサービスを買うことで得られる価値を気に入ってあるいは理解して購入することです。
得られる価値が顧客特有の価値になります。
例を挙げると、例えばルンバを買うお客様はなぜ買うのか?
掃除機が壊れたから代わりに高いルンバを買うでしょうか?
大きな目的は時間を短縮するためではないでしょうか?
自分で掃除機をかける時間をルンバが掃除することにより掃除に費やしていた時間を買っています。
少々高くても1年で掃除する時間が〇〇時間減ることを比べれば高くても価値を見出せるため購入に至るということですね。
税理士業に当てはめると
税理士のサービスを通してえられる価値を考えて契約をしていると思います。
私が価値を提供できるものとしては、以下の内容です。
注目ポイント
- 無資格者ではなく税理士が担当すること。
- 若手30代であり将来を通じて長く付き合うことが可能。
- 上場会社の子会社から、町の商店街など様々なお客様と対応してきているので実績があり様々な案件に対応可能。
- 相続試算から節税提案なども実績あり 節税顧問契約、事業承継税制も行った経験あり
- 医療専門部に所属していたため、内科や歯科医に強い、また医療法人成りも経験しており節税サポートできる。
- コンサルができる(売上増加、マーケティング、経営組織変更、資産税、キャッシュフロー経営、営業会議サポートなど)
得られる価値を考えると
- 安心感と信頼感
- 社外取締役としての役割、人件費や設備投資判断など第三者視点からの助言
- 節税により納税額を減らし、自由に使えるお金が増える
- 経理実務の外注化によるコスト削減
- 他社事例を知ることができる(守秘義務の範囲内になりますが)
顧客特有の価値を理解できたところで、では自社の商品はどのような、顧客特有の価値を提供することが可能でしょうか?
これを考えて、実際に価値を見出す可能性がある顧客に対してのみアプローチすれば高く購入される可能性が高くあります。
顧客を選定する=ペルソナを設定することで、高い売上や高い収益ビジネスが組み立てられるようになります。
付加価値も顧客に届かなければ意味がありません。
見え方、伝え方を創意工夫する必要があります。
長くなりましたので、まとめると付加価値をつけるには、
- 一般的な価値を理解する
- ペルソナを設定して顧客の価値を考える
- なぜこの商品が必要か? どういう経緯でこの商品ができたのかなどストーリー立て、商品説明に組み込む
値上げをする方法
値上げをする場合、まずは新規顧客に対して値上げをした金額を提示します。
それである程度、売れるという手ごたえが掴めたら、次は既存顧客に対しても値上げを行います。
基本的に既存客には時間をかけて値上げをします。
2年後の〇月より20%値上げしますと。
そして1年5か月、1年、6か月前、3か月前、1か月前に値上げする旨を伝えます。
そうすると突然言われても困るというトラブルはありません。
値上げが嫌な顧客は新たな取引先を探す時間もありますので案外スムーズにいきます。
値上げする理由は「新規のお客様はこの値段で買ってもらっています」とお伝えします。
既存顧客の中には昔からお世話になっているところもあるでしょうから、そこは臨機応変に対応する。
横のつながりが密であれば、一律値上げしないと特定の顧客のみ値上げしていると思われるとトラブルの原因になります。
現状の商品の上位版と下位版を作ることで、商品ラインナップをふやす。
また、松竹梅方式で3つの商品ラインナップを作るという方法もあります。
3つあると人は真ん中の竹を選びやすいという結果が出ています。
付加価値を増やす方法を、プレゼンや商品説明に加えトライ&エラーを繰り返しながら値上げを行っていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
値上げは怖いということは、解消しましたでしょうか?
実際に値上げのしくみを知れば、あなたの会社もできそうだと思いませんでしたか?
いかに情報という価値をつけれるか、特定顧客特有の価値にアプローチできるかだと思います。ここがしっかりしていれば
トライ&エラーで売り上げを伸ばすこと、高収益の企業になることができると思いますので、ぜひ実行してみてください。