節税 税金

土地・建物の譲渡した場合の税金計算について

2020年12月4日

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そろそろ確定申告なので、

土地・建物の譲渡した場合の税金計算についてご説明させていただきます。

 

「不動産を売買したんだけど、税金ってどうなるの?」

「これから売買する不動産にどのくらい税金がかかるの?」

「売却益がでて税金払うのはわかったんだけど、なにか税金を払って得することないの?」

とお悩みのあなた!

 

この記事では上記の疑問が解消される内容を記載しています。

記事の信憑性

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計算方法

譲渡収入−(取得価額+譲渡費用)−特別控除=課税所得

課税所得 × 税率 = 税金

所有期間

取得日から譲渡までの期間が以下の年数に応じで税率が変わる。

短期譲渡所得

譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下

譲渡所得

譲渡した年の1月1日において所有期間が5年

相続や贈与により取得した場合は、被相続人や贈与者が取得した日から所有期間を計算する。

税率

短期譲所得

30%(所得税)+(30%×2.1%)(復興特別所得税)+9%(住民税)=39.63%

長期譲渡所

15%(所得税)+(15%×2.1%)(復興特別所得税)+5%(住民税)=20.315%

税率差が約倍近いですね。ギリギリ短期譲渡所得になる場合は、長期譲渡所得になるようにしたほうが良いですね。

参考

課税所得金額が500万円の場合

500万円×39.63%=1,981,500円

500万円×20.315%=1,015,750円

譲渡時期

原則は引き渡し基準

契約日基準でも可能

①契約日基準にするメリット

・非事業用の建物の経過年数が1年ずれるケースがあるので、計算によっては、譲渡益が減る

・年末に契約、引き渡しが翌年であれば、どちらの年度に使用か有利不利選択が可能になる。

 

譲渡収入

売買金額+固定資産税清算金=譲渡収入

※持回り保証金(関西方式)があれば譲渡収入に含める。

※持回り保証金とは、入居者から預かっている金額を清算しない場合。

売買金額
1億円 + 預かり保証金 500万円 = 1億500万円

売買金額
1億500万円 − 預かり保証金 500万円 = 1億円(手取)

関東では、清算して売買代金から差し引くのが一般的です。

売買金額
1億円 − 預かり保証金 500万円 = 9,500万円(手取)

 

取得費

①取得のために直接要した費用の額

②譲渡収入金額 × 5%

①又②のいずれか大きくなる金額を選択が可能です

取得費として計上すべき主なもの

①購入金額がわかる書類(売買契約書)

②売買契約書に貼った印紙代

③購入時の仲介手数料

④購入後1年以内の建物の取り壊し費用

⑤登録免許税などの登記費用(相続登記があれば相続登記も含む)

⑥購入後すぐに支出した修繕費用

などなど

事業用として費用として計上したものは、取得価額に含めることができません。(通常確定申告時の費用として処理されているのが一般的です)

建物の場合は、時の経過に伴い価値が減少するので、減価償却が必要になります。

また償却方法は事業用と非事業用とでは減価償却方法が違います。

 

事業用不動産

建物については減価償却後の簿価が取得価額になります。

総合課税・分離課税の所得税の税率を確認して、期中償却を行うか確認しましょう。

例えば年の途中 4/10に売却した場合、原則は期中の償却は行えません。

(所得税法49条)「居住者のその年12月31日において有する減価償却資産」について償却することとなっています。
つまり、12月31日に有していない減価償却資産は、減価償却費を計上することはできません。

ただし通達49-54で償却が可能となっています。

年の中途において、一の減価償却資産について譲渡があった場合におけるその年の当該減価償却資産の償却費の額については、当該譲渡の時における償却費の額を譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含めないで、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入しても差し支えないものとする。

所得税の速算表に従って、累進課税の税率+住民税10%の合計の税率離課税の税率を比較して、減価償却するかどうかの判断を行う必要があります。

不動産の売買について赤字が出る場合は、基本的に期中償却を行ったほうが有利になります。

 

非事業用の建物

取得費 + 印紙代 + 仲介手数料 + 銀行手数料 + 登記費用 + 不動産取得税など取得にかかるすべての費用

非事業用については取得価額に算入しないことができる費用であっても、原則通りすべて取得費に含めましょう。

(固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示)

基本通達7-3-3の2

次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを固定資産の取得価額に算入しないことができる。

(1) 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
(2) 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額
(3) 一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額
※ニ、相続登記にかかるものも含まれます。

減価償却

非事業用の減価償却資産は、以下の通り計算します。

旧定額法により計算します。

取得価額 × 0.9 × 耐用年数に応じた償却率 × 経過年数 = 償却額

取得価額 − 償却額 = 簿価(取得費)

※経過年数が耐用年数以上の場合、計算上簿価はゼロになりますが、「簿価<取得価額×5%」の判定が必要になりますので

取得価額5%となります。

耐用年数 × 1.5 = 非事業用の耐用年数

経過年数 = 取得日~譲渡日までとなる。 6月以上は切り上げで、6月未満は切り捨てとなります。

 

譲渡費用

(1) 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
(2) 印紙税で売主が負担したもの
(3) 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
(4) 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
(5) 既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金
これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
(6) 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

その他注意点

売却益が出た場合

①特例が使えないかを考える

収用の特例・居住用財産の特例など

②含み損の土地や建物など、分離課税の赤字となる物件があれば売却して、損益通算できないかを考える。

③ふるさと納税額の枠が増えるので、②の計算を行い、見込課税所得に応じたふるさと納税額を算出し、ふるさと納税を行う。

まとめ

以上譲渡所得の基本的な論点でした。

あくまで一例を示しておりますので、それ以外にこれは譲渡費用になるの?などの疑問があるかもしれません。

支払ったものはすべて税理士に提示することで、譲渡所得をいかに少なくして税金を抑えれるかあーでもないこうでもないと考えてくれます。

まず不動産の売買が発生した場合は、税理士に相談するか、計算してみて売却した年度内に譲渡益が出るのかどうかを必ず確認しておきましょう。

納税額を知ることで、税金どれだけ払わないといけないの?などの不安が解消されます。

また副次的ではありますが課税所得が増えることにより、ふるさと納税の枠も増えます。

ぜひ特産品をゲットしましょう!

 

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